仮想通貨とは何?これまでの通貨などと何が違うのか?

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仮想通貨とは一体何か?

ここで躓いている人に、わかりやすく出来るだけ簡単に説明しておこうと思います。

まずは、ここから始めて全体像を把握してからいろいろな事を知っていくと、仮想通貨への興味が深まるのではないでしょうか。

  

仮想通貨とはいったい何?

仮想通貨とはいったい何なのか?

最初にぶつかる壁ですよね。

ただ、海外の事はわかりませんけど、日本では仮想通貨という言葉は前からありましたね。

それだけに、ビットコインをはじめとする今でいう「仮想通貨」については「いったい何?」となるのでしょう。

では、早速ですが仮想通貨とはいったい何か?

これは、わかりやすく簡単に言ってしまうと。

『インターネット上でのみ存在する通貨』となります。

インターネット上にのみ存在していますので、100円玉や1,000円札の様に手にすることができません。

仮想は「バーチャル」の和訳ですし、こちらの方が馴染みがありますよね。

バーチャルリアリティーは「仮想現実」です。

言ってみれば仮の世界。

仮の世界がどこかという「インターネット上」という事になります。

インターネット上の通貨ですので、「デジタル通貨」とも言えますし、ブロックチェーンの記事を読んでもらうと参考になると思うのですが、中央集権に頼らずどこの国にも属さない国際通貨とも言えます。

ブロックチェーンをわかりやすく図で見るとこうなる

また、送金などの際には、暗号を解く「鍵」が必要となるところから「暗号通貨」とも呼ばれています。

海外では、どちらかというと「暗号通貨」と呼ばれることが多いみたいです。

さて、仮想通貨はインターネット上の通貨と書きましたが、仮想通貨だけではなく他にも似たような通貨もありますよね。

そういった通貨との違いを一つずつ説明していきます。

仮想通貨と現金との違い

まず、一番に「実体があるのか無いのか」が大きく違います。

仮想通貨に実体がないのであれば、どうやって管理するのかが気になるところです。

円やドルなどの通貨であれば、財布に入れて持ち運びができますが、仮想通貨には「ウォレット」という専用の財布が存在します。

ウォレットは、スマホやパソコンなどにアプリを入れて使用することができます。

ウォレットも、仮想の財布ですので、普段お使いの財布のように手にすることはできません。

仮想通貨をウォレットに入れておくことで、いつでもどこでも使用可能な状態となっていて、現金の入った財布のようにかさばることもありません。

例え1億円であったとしても、ウォレットが「パンパン」に膨れることはありません。

でも、スマホを落としたり無くしたり、盗難にあった場合、スマホに入っているウォレットから仮想通貨を盗まれる可能性がないとは言えませんよね。

ただ、最近のスマホは指紋認証や顔認証など、セキュリティ的にもかなり向上していますし、スマホを紛失した時にデータを消去できるものもありますので、現金を入れた財布を持ち歩くより安全と言えるのかもしれません。

絶対安全とは言い切れませんが。

一つ気になるところと言えば「消えたデータの中に仮想通貨があったら一緒に消えるのでは?」という事ではないでしょうか。

そこはご安心ください。

データが消えたとしても、あなたが仮想通貨を持っている事実は変わることはありません。

ですので、スマホを紛失してデータを消去してしまったとしても、違うスマホやパソコンなどでウォレットを確認すれば、きちんとあなたの仮想通貨は残ったままです。

この辺りは、預金通帳と同じように考えてもらればいいのではないでしょうか。

仮想通貨は電子データ

仮想通貨は「デジタル通貨」ですので、電子データと同じです。

先ほどのスマホ内のアプリで管理するウォレットのように、持ち運ぶことも簡単にできますし、ウォレットさえ入って入ればどんな端末からでも現在の保有している仮想通貨を確認することが可能です。

現在の現金も似たような部分がありますよね。

預金通帳やネットバンキングが良い例でしょう。

ただ、預金通帳やネットバンキングで確認できる残高は、現金に換えることができます。
でも、仮想通貨の場合実体がありませんので、ウォレットの中だけでしか移動することができません。

仮想通貨を現金に換えるには、取引所を経由して換金します。

また、仮想通貨は銀行に預けることができません。

ウォレットで管理するか取引所で預かってもらうという形になります。

取引所に預けている場合は、換金することができますが、ウォレットに入れて自分で管理している場合は、現金に換えること出来ず仮想通貨同士のやり取りのみ行うことが出来ます。

ほとんどの場合は、取引所経由でのやり取りとなることが多いでしょう。

仮想通貨は国際通貨

現在、使用されている通貨、日本で言えば「円」

円は、日本銀行が発行し、発行した通貨の量を調整することで金利や景気に影響を与えます。

これは、日本だけではなく海外各国であっても中央銀行がありますので同様です。

しかし、仮想通貨はどこかの国が発行しているわけではありません。

ですので、一つの国が仮想通貨の量を調整するといったこともできません。

また、どこの国にも属していないので、仮想通貨が利用できる環境が整ってさえいれば、どんな国でも利用可能な通貨となり、「国際通貨」と言われるんですね。

仮想通貨は民間運営?

どこの国が発行しているわけでもなく、管理しているわけでもない。

もしかして、民間で運営している?

そう思うかもですね。
ある意味では、そのとおりでしょう。

何故なら、仮想通貨は誰かが一元管理していない代わりに、ネットワークに参加している人達が主体となり、自らの手で運営されているからです。

仮想通貨は、1日24時間365日休むことなく、世界のいたるところで取引されています。

この休むことのない取引を、参加メンバーがお互いに承認作業を行うことで、「正当な取引」を保証しているともいえるでしょう。

このことから、仮想通貨はある意味では「民間が運営する通貨」とも言えますね。

仮想通貨は署名入り

現金は、持っていれば自分のものかもしれませんが、実際のところそれを証明することはできません。

現在、持っているから自分のものというだけであって、現金に自分のものという証明はされていませんよね。

例えば、持っていた1万円札を落としたとします。

運悪く、その1万円札を誰かが拾い、何かを購入していたとしましょう。

この時、購入したお店に「その1万円札は、私が落としたものなので返してください」といっても通用しませんよね。

どのような形であったとしても、1万円札は誰のものでもないということになります。

仮想通貨の場合は、どうでしょうか。

仮想通貨には、一部そうではない仮想通貨もありますが、基本的に「仮想通貨の所有者」が記録されています。

ですので、自分が持っていた仮想通貨がどこからどこに移動したのかが、一目瞭然となるんですね。

仮想通貨には、このような性質があるために、マネーロンダリングなどの不正な操作がされにくいということなんですね。

仮想通貨とクレジットカードとの違い

仮想通貨(特にビットコイン)は、円やドルと同じように「買い物・食事」などの支払いで利用できます。

日本国内でも、大手量販店の決済が可能になったりと仮想通貨を利用できる環境が整ってきています。

サンフランシスコや、シリコンバレーなどでは、ビットコインの使えるお店がかなりあるそうです。

アメリカは「クレジットカード社会」と言われるぐらいに、クレジットカードの利用が盛んです。

なのに、ビットコイン決済を利用する環境が増えてきているのはどうしてでしょうか。

クレジットカードの残高は借金?

クレジットカードを利用したことがある人は、理解しているかもしれませんが、クレジットカードで購入した時の「残高」は『借金』と同じです。

クレジットカード会社は、一時的に支払いを立て替えてくれています。

ですので、借金をするつもりはないと思いますが、言い方を変えれば借金と同じようなことになります。

クレジットは「信用」という意味で、その名の通り、クレジットカードを発行した人への信用の元、支払いの立て替えを行ってくれています。

ですので、信用に応じて、利用可能な限度額やグレードがあるんですね。

仮想通貨は、信用という枠組みはなく、利用した時点でウォレットから引き落とされ、ウォレットに入っている金額以上の支払いはできません。

財布に1,000円しか入っていないのに、2,000円のものが買えないのと同じです。

クレジットカードと似たようなものに「デビットカード」がありますが、仮想通貨はデビットカードと同じような感覚ですね。

デビットカードも、預金口座にある金額以上の支払いができません。

仮想通貨はコスパに優れている

クレジットカードで代金を支払う際、お店からクレジットカード会社に取引記録が送られます。

クレジットカード会社は、締め日になると、クレカを利用した人に代わってお店に代金を支払います。

その後、みなさんから代金を回収するという流れがあります。

この時、クレジットカード会社は受け取る手数料は業種などにより違いはありますが、おおよそ支払額の2~10%。

手数料に加え、クレジットカード決済を導入しているお店には、専用のカードリーダーを用意する必要もあります。

例えば、クレジットカードで10,000円の買い物をしたとしましょう。

この時、手数料を5%とすると、お店が最終的に手にする金額は

9,500円になります。

仮想通貨で支払いをする場合は、お店と利用者の直接の支払いであれば手数料はゼロ。

決済代行会社が間に入っているのが一般的ですが、この場合でも初期費用はゼロですし、手数料も1%程度となっていて、かなり格安といえますね。

先ほどの例の様に同じ10,000円の支払いでも、5%と1%の手数料の差が出ていれば、多くの取引をすると考えれば仮想通貨で決済するほうがお得ですよね。

また、仮想通貨で受け取った代金も日本円にもドルにも換金することが出来ますし、取引が承認される10~30分の時間があれば、即日にでも代金を受け取れます。

クレジットカードの様に、月末まで代金を待つ必要もありませんので、資金繰り的には楽になるはずでしょう。

クレジットカード情報を盗まれる心配もない

某番組で観た方もいるかもですが、「アイスマン」を知っていますか?

史上最大のサイバー犯罪

セキュリティの甘いWifiネットワークを悪用し、コンピューターをハッキングし、カード番号を盗み出したという事件。

現在では対策もされているでしょうから、そこまでとは言いませんが、やはり未だにカード情報を抜き取られる危険性がないとは言い切れません。

そういう意味では、ネット通販などでクレジットカードを利用することに躊躇する人もいるぐらいです。

仮想通貨には、そもそも「カード」といった物理的なものがありません。

相手が指定するアドレス(またはQRコード)に、自分から送金しますので、こちらの情報を相手に知られることはないのです。

また、仮想通貨は電子署名という暗号があり、送金中の仮想通貨が誰かに盗まれる心配もありません。

ただ、クレジットカードも同じ事が言えますが、「代金を支払ったのに商品が届かない」というような詐欺にあう可能性がないというわけではありません。

重ねてですが、仮想通貨だから絶対安心という訳でもありませんので。

仮想通貨と電子マネーとの違い

電子マネーというと、「Suica」や「PASMO」などの交通関係の電子マネーを利用されている方も多いでしょう。

今では、改札にICカードやスマホを近づけるだけで料金を支払うことが出来たりしますので便利ですよね。

他にも、日常の買い物で使用できる「nanaco」や「WAON」なども、クレジットカードを使うほどではない場面には重宝されています。

電子マネーには、先払いの「プリペイド方式」と後払いの「ポストペイド方式」があります。

どちらにしても、電子マネーは「デジタルなお金」という訳ですね。

では、デジタル通貨である仮想通貨と、デジタルなお金の電子マネーの違いは何でしょうか。

仮想通貨には物理的なカードがない

先ほども、少し書きましたが仮想通貨のは、電子マネーの様な「ICカード」はなく、物理的なカードがありません。

電子マネーでは、設置された機器にICカードをかざす非接触型ICカードを支払います。
また、カードではなく「モバイルSuica」もあります。

仮想通貨には、こういった物理的なカードというのが存在していません。

取引所に用意されている、ウォレットアプリをスマホに入れて使用することができます。

支払う時は、お店がウォレットアプリに会計金額を入力してアドレスを取得します。

このアドレスに、仮想通貨を送金すれば支払いが完了します。

また、アドレスではなくQRコードが発行されていれば、QRコードを読み取るだけですので操作も簡単になっています。

「おサイフケータイ」や「Apple Pay」のように、スマホを端末にかざす必要もありません。

世界中で使える

電子マネーは日本国内にいる限り、だいたいの支払いができますが、海外に出てしまうと使用することができません。

これは、電子マネーといえど結局のところ、通貨の単位が円だからです。

仮想通貨には、どこかの国が運営しているわけではなく、誰かが発行しているわけでもありません。

利用する環境が整っているという前提があるものの、日本国内だけではなく世界中で利用可能な通貨ということになります。

今のところ、ビットコインに関して言えば、実店舗でビットコインを使う場合、日本国内で使うよりもアメリカ西海岸や東海岸の方が、使用するチャンスが多いでしょう。

それだけ、アメリカの一部地域ではビットコインの利用範囲が広がっているということです。

日本国内でも、ビットコインの利用範囲は広がってきており、ネットショッピングなどのネットサービスにおいては、徐々に利用できるサイトが増えてきています。

仮想通貨は独立した通貨

仮想通貨と電子マネーとの本質的な違いを挙げるなら

【仮想通貨は独立した通貨】

と、いうことですね。

どういうことかというと。

電子マネーである「Suica」や「nanaco」の単位は「円」ですよね。

ですので、電子マネーをドルやユーロに変えることができません。

仮想通貨の単位は、円ではなく「BTC」です。

仮想通貨は、電子マネーと同じように、円で購入することもできますが、ドルやユーロと交換することも可能です。

これは、仮想通貨が独立した通貨であり、立派なお金だからです。

これが、クレジットカードや電子マネーとの根本的な違いと言えます。

また、Suica、nanaco、WAONも、特定の企業が発行していますが、仮想通貨は中心的な発行体がありません。

これも、大きな違いですね。

仮想通貨とポイントやゲーム内通貨との違い

ポイントやゲーム内通貨は、実際に手に取れるものではないという点では、仮想通貨と似た特徴を持っています。

また、代金の支払いに使えるというもの同じですね。

「Tカード」「マイレージ」などや、「Amazonポイント」「楽天ポイント」に共通しているところは、支払い事に決められた割合にでポイントを貯めることが可能ということ。

ポイントを貯めるというサービスを付与することで、利用者のリピートを期待したり、今後のマーケティングに活用したりすることも可能ですよね。

ただ、Amazonも楽天も、扱う商品が多く使い勝手から考えると、まだまだ利用範囲の狭さでは仮想通貨はかないません。

でも、代金の支払いに対して付与されるという条件付きとなりますので、上限が決まってしまうというのも事実です。

仮想通貨とポイント

ポイントは、実体がなくても支払いに使用できるという点では仮想通貨と似ていますが、利用できる範囲が狭く、「○○ポイント」とした場合、特定の店舗でのみの利用に限られてしまします。

仮想通貨では、利用環境の整備がされていることが前提となるものの、利用先に制限がなくどこでも、代金の支払いとして利用することが可能です。

また、仮想通貨はそれ自体を売買でき、他人に譲渡することもできますが、ポイントの売買、他人への譲渡を規約で禁止していることがほとんどです。

ポイントカードのように、支払い代金に応じたポイントの付与ではなく、サービスを利用することで(商品の購入や、登録など)ポイントを付与する、いわゆる「ポイントサイト」などもありますね。

この場合、貯まったポイントは現金と交換することができますが、交換するのに「1pt」が「1円」といったように、レートが固定されています。

仮想通貨の場合は、常に変動していますので、「1BTC」が「100円」の時もありますし、逆に「1BTC」が50円の時もありえます。

※2017年12月31日21時40分の時点では「1BTC=160,383円」となっていますけどね。

と、いうことは上手に利用すれば、最初に手にした価値よりも高い価値を持たすことが出来るということです。

仮想通貨とゲーム内通貨

スマホアプリゲームの、いわゆる「課金ガチャ」や、MMORPGなどのオンラインゲームないで利用できるゲーム内通貨は、仮想通貨とよく似た特徴を持っており、仮想通貨はゲーム内通貨の発展形と言えるのかもしれません。

ゲーム内通貨は、ゲームの到達度や進捗状況により付与されるだけはなく、お金を払って購入することができます。

良く耳にするかもしれませんが、「ガチャ何連」といった時に使う「ダイヤ」であったり「ジェル」などといったものですね。

このゲーム内通貨も、ポイント同様に規約でだいたいは禁止されているものの、ゲーム内通貨を現金で売買するRMT(リアルマネートレード)があったりします。

仮想通貨のうち、ビットコインも元をたとればコミュニティでのみ扱われていたもので「おもちゃのお金」と同じでした。

それが、ピザをビットコインで交換したことで「取引」が成立し、通貨としての価値を持ちました。

そういった意味で、仮想通貨はゲーム内通貨の発展形と言えるのです。

ただ、大きな違いは、ゲーム内通貨はゲームを運営する会社が発行・管理していますが、仮想通貨には、特定の誰かが発行も管理もしていないということですね。

まとめ

仮想通貨と、現金・クレジットカード・電子マネー・ポイント・ゲーム内通貨との違いを説明してみましたが、少しはご理解いただけたでしょうか。

大きく違うところもあれば、よく似た特徴を持つものもあります。

ですが、最終的な違いは「どこにも属していない」という部分に落ち着きます。

簡単に言えば「ネット上のお金」になりますが、いろんなものとの違いを理解していくと、独立した通貨だと気づいてくるのではないでしょうか。

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