ブロックチェーンをわかりやすく図で見るとこうなる

公開日:  最終更新日:2018/07/22

ブロックチェーンについて、ややこしい部分や専門用語も多く、
なかなか理解しにくいものではないでしょうか。

ですので、ブロックチェーンの仕組みをわかりやすく図を使って解説しています。

図を見てからでも、解説を読んでからでも理解しやすい方法で
お読みいただければと思います。

  

ブロックチェーンの仕組みをわかりやすく図で見てみよう

中央集権と分散型

ブロックチェーンは、これまでの「中央管理型データーベース」ではなく「分散型データベース」になっています。

銀行を例にして「中央管理型データベース」の解説を少ししていきます。

あなたの持つ口座の預金情報を、銀行という一つの組織で管理しているのを「中央管理型データーベース」といいます。

昔からこの方式ですし、銀行が管理していますので安心して取引出来ているといえるでしょう。

ですが、ハッキングやサーバーダウンなどトラブルが起きた時は、一つの場所で管理しているため、サーバーに接続できなくなってしまえば、あなたは自分の口座から入出金が出来なくなってしまいますよね。

最悪、資産がなくなる可能性もある一大事です。

もちろん、そういったトラブルを防ぐためにも、セキュリティの強化も含め相当なコストかけて運営しています。

ですので、手数料の割高感も否めません。

ブロックチェーンでは、こういったトラブルにも強くハッキングも不可能と言われているのです。

ブロックチェーンの安全性は分散型だからこそ

では、「分散型データベースのブロックチェーンはどうなのか?」ですよね。

仮想通貨は、このブロックチェーンの仕組みよって生み出されたもので、その安全性から信頼を得て価値がついていると言えます。

ブロックチェーンは、「分散型のデータベース」となっています。
中央管理型データーベースのように中央となる組織等で管理しているのではありません。

ネットワークに繋がる複数のコンピューターと、同じデータを保存・共有しています。

ですので、一つのコンピューターがダウンしたとしても、他にも同じデータを保存しているコンピューターがありますので、ダウンすることがありません。

万が一にでも、一つのコンピューターがハッキングされデータが改ざんされたとしても、その他のコンピューターとのデータの違いがあり、他のコンピューターのデータまでも改ざんするのは、ほぼ不可能となり、安全性も確保されていることになります。

これは、ブロックチェーンの特徴ですが、保存されているデータはブロックチェーンにより、ある一定時間で常に更新されており、それらすべてのコンピューターを調べ上げ、改ざんするのはコストがかかりすぎますので不可能と言われています。

また、「他の人にもデータを共有されているのは不安」と思うかもしれませんが、「暗号化」されたデータが保存されていますので、個人情報が洩れるといったような不安はありません。

この暗号を「ハッシュ値」と言い、この事から日本では仮想通貨と呼びますが世界でみると「暗号通貨」と呼ばれるのが一般的です。

このハッシュ値は、どんな大きさのデータでも「64桁」の暗号に置き換えることができ、暗号化技術でよく使わる関数となります。

また、入力されたデータからハッシュ値を生成するのは簡単なのですが、ハッシュ値からデータ値を割り出すことができません。

これを、「不可逆的」と言い、後から変更することができないのです。

ですので、ビットコインの取引も改ざんされないようになっています。

ブロックチェーンを使った仮想通貨の流れ

ブロックチェーンは分散型のデータベースで、一つではなく複数のコンピューターによって管理されていますが、仮想通貨をやり取りする際にはどういった流れになっているのでしょう。

ここでは、ビットコインを例に進めていきます。

まず、AさんがBさんに「1BTC(ビットコイン)を渡す」とします。

この段階では、すぐにBさんにビットコインが渡されるわけではないんですね。
これは、AさんとBさんのビットコインの取引が「未承認状態」だからです。

送金をしてから、ある程度時間がかかるのは承認作業が必要なためです。
言ってみれば、「承認作業が終わるまで順番待ちをしている状態」ですね。

この時、「AさんからBさんへ1BTC移動する」という取引記録として表現されます。
取引記録は『トランザクション』と呼ばれます。

これは、AさんがBさんに1BTCを売っても、AさんがBさんに1BTCを送っても、AさんがBさんに商品代金として1BTCを支払っても同じ。

「AさんからBさんへ1BTC移動する」形になりますよね。

そして、複数の同じような取引記録を一つのブロックにまとめていきます。
仮想通貨は、24時間365日休みなく取引されています。

ブロックは、「取引記録の入った箱」と考えてもらえればよいでしょう。

会社でも、伝票をまとめて一つの箱に入れておくのと、似たような感じで考えてもらえればわかりやすいかと思います。

そして、一定時間ごとに取引記録の入った箱(ブロック)を承認する作業が始まります。
この作業を『マイニング』といい、承認作業をする人達を『マイナー』と呼びます。

一定時間が決められているのは、毎回取引が行われるごとに承認作業をするのは、複数のコンピューターを同時に更新することになり、物理的に不可能なんです。

ですので、一定時間を決め、まとめて承認するようになっています。

この一定時間は「10分」となっていますが、ここ最近、ビットコインの取引量の増加などにより遅延が起きています。

また、取引記録(トランザクション)には、手数料も含まれていて「早く承認作業をしてほしい」と思えば、手数料を高く設定することも可能なんです。

マイナーは、マイニングを成功させることで、報酬を得ています。

そうすると、マイナーも手数料が多いほうが報酬も増えますので、他の取引記録よりも優先して承認作業をしようとします。

ですので、大口の送金や急いでいる場合などに手数料を高く設定することで承認作業を優先してもらうことも可能になります。

例えば、通常であれば1時間かかる作業も手数料を高く設定することで、すぐに作業にかかってくれるということですね。

これは、ルールとして整備されており、言い方を変えれば、もしも取引所が一般よりも高い手数料を設定していれば、他よりも早く承認作業が終わるので送金スピードも速くなるということです。

ですので、取引所の手数料が高いから避けるという考えではなく、送金速度も考慮されているのかどうかということも、取引所選びの判断材料にすればよいでしょう。

話を戻しますが、取引記録の入った箱(ブロック)を10分に一度承認作業をして、「この取引に間違いはない」と承認されれば、そのブロックには鍵がかけられ、これまでで一番新しいブロックの後ろにつながれます。

繋がれるのは一方向のみで繋がれ、イメージが「鎖の繋がり」ですので「ブロックチェーン」と呼ばれています。

ここまでの、ブロックチェーンの一連の流れを図にしたものが下図になります。

ちなみに、承認作業をしてブロックが繋がれれば、繋がっているコンピューターすべてのデータも更新されることになります。

ブロックチェーンが抱える問題

ブロックチェーンの仕組みなどは、ある程度理解してもらえていると嬉しいのですが、ここでブロックチェーンが抱える問題についても、知っておいてもらおうと思います。

ブロックチェーンというよりも、マイニングにも関係する問題と言ってもいいかもしれません。

最近、ブロックチェーンが分裂し「ビットコインキャッシュ」が生まれたり、「ビットコインゴールド」や「ビットコインシルバー」、「セグウィット2X」など分裂したもの、そうでないもの、中止になったものがあります。

ビットコインの御家騒動なんて揶揄されてたりしますよね。

このビットコインの分裂問題には、マイニング作業をするマイナーも大きく関わっているんですよ。

ブロックチェーンは、取引記録をマイナー達が承認作業をし、最後尾のブロックに繋がると先述しました。

ところが、ビットコイン誕生当初はよかったものの、ビットコインを含め仮想通貨に注目が集まると、取引量も増えました。

取引量が増えるということは、取引記録も増えますよね。

そうなってくると、承認作業をするマイナー達は作業量も増え、これまでの作業もより複雑になってきます。

作業量が増え複雑になるとどうなるかというと、会社で仕事をしている状況を考えれば「残業」になりますよね。

残業をしなければ、仕事は進みませんし仕事は溜まる一方です。

これと似たような状況が、ビットコインでも起きています。

「ビットコインの流れ」で解説した時のように「AさんからBさんへ1BTC移動」という作業が徐々に遅れ、10分で送金出来ていたものが、20分、30分と遅延が出てきています。

手数料の上乗せで、回避できる場合もあります。

こうなってくると、せっかく送金手数料が安くて早く送金出来るビットコインの謳い文句が、おかしな事になってきます。

もちろん、マイナーにとっても、作業量に見合った報酬をもらえているのか疑問を持ち出してしまいます。

これが原因で、マイナーが承認作業をしなくなっていけば、さらに送金速度の遅延は加速しますよね。

こういった問題を解決しようとして、定期的に元からのビットコイン開発者とマイニングを主としている会社との間で話し合いの場を設けられています。

ところが、お互いの意見が食い違ってしまい「だったら新しく仮想通貨を作るよ」となってしまったのが、ビットコインの分裂を招いた主な原因になっています。

また、こういった動きに合わせてビットコインを含む仮想通貨を投機と考える人たちによって、価値の変動も日々毎時毎分毎秒ごとに上下しています。

こうなってくると、ビットコインのそもそもの意思というのでしょうか「中央に頼らない国際通貨」というものが揺るいできそうな気もします。

ですので、単純に「価値」だけで売買をするのは少し危険ではないだろうか考えてしまいます。

まとめ

ブロックチェーンの技術は、仮想通貨だけではなく応用しだいでいろんな場面で活用できると注目されています。

それだけに理解しておけば、アイデア次第ではよりよい活用方法も生まれてくるでしょう。

ですが、ブロックチェーンの仕組みを理解するには専門用語も多く、仮想通貨自体が新しい事もあり、わかりやすく解説されていないこともあったりします。

私がそうであったように、「理解したいけど、ややこしい」と感じたあなたにとって、わかりやすい解説になっていれば幸いです。

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